靴磨きにはクレム1925が欠かせない

本日は靴磨きの手順と、靴磨きに使用している道具を紹介します。

靴磨きをするということは靴を長持ちさせるためには必ず必要です。良い靴は長持ちすると言われていますが、手入れあってのものなので、必ず手入れをする習慣をつけると良いと思います。

基本的に靴は週に1回から2回しか履かず、何足かをローテーションで回すのがおすすめです。靴を長持ちさせるためには靴を履いた際の湿気をできるだけ取り、革を休ませるということも大切なのです。

巷には数千円で売っている革靴もありますが、それらの品質は良いとは言えないものがほとんどです。安い靴というよりは、それなりの靴がそれなりの値段で売っているという印象が強いです。

 

では、私が普段行っている革靴のケアの手順を紹介します。

①馬毛ブラシによるブラッシング

②水拭き

③ステインリムーバー及び鏡面落としによる汚れ落とし

④乳化性デリケートクリーム

⑤油性クリーム

⑥ワックスによる鏡面磨き

⑦山羊毛ブラシによる仕上げ

このような手順で月に1回から2回靴磨きを行っています。①から⑦の全ての手順を行う事をフルメンテと呼んでいます。

ではこのフルメンテの手順を1つ1つ見ていきます。

 

①ブラッシング

この工程では馬毛ブラシを用いて靴についたホコリを落としていきます。

靴を履いた後は毎回ブラッシングしましょう。(帰宅後すぐに!)

ホコリがついたまま放置してしまうと、ホコリが靴の油分を吸収してしまい、靴によくありません。

私はコロニルの馬毛ブラシを使用しています。適度に柔らかく、毛量と大きさもあるのでおすすめできます。

また、フルメンテの際は靴紐は必ずとるようにして、靴の端の部分も入念にブラッシングします。

f:id:kawagutudaisuki:20200510132229j:plain

コロニル 馬毛ブラシ

 

②水拭き

こちらの工程では靴全体を水拭きしていきます。必ずきれいな布、きれいな水を使います。水はよくないと思うかもしれませんが、革靴はきれいな水を欲しています。もちろん雨水はよくありません。雨水には不純物がたくさん含まれているためです。

靴の中も水拭きで拭きあげるのがおすすめですが、靴の中を拭く際はアルコール除菌シートを用いるのもおすすめです。アルコール除菌シートを用いることによって防カビの効果もあります。

この際、間違って塩素系の除菌シートを使用しないようによく成分を見るようにしてください。

 

③ステインリムーバー及び鏡面落としによる汚れ落とし

次にステインリムーバーを染み込ませた布で靴全体を軽く拭き上げていきます。この際、面がよごれたら変えながら拭きます。また、擦り過ぎると革が痛むので注意してください。

この工程は、汚れを落とすためというのと古いクリームを落とすという意味があります。

鏡面磨きをしている靴は、ハイシャインクリーナーを用いて、鏡面を落としてからステインリムーバーを用いて汚れ落としをしていきます。

f:id:kawagutudaisuki:20200510133439j:plain

エムモウブレイ ステインリムーバー

f:id:kawagutudaisuki:20200510133433j:plain

BootBlack ハイシャインクリーナー

 

④乳化性デリケートクリーム

次に靴に余分なものが無くなり、すっぴんになったのでデリケートクリームを用いて保湿していきます。

f:id:kawagutudaisuki:20200510133413j:plain

エムモウブレイ デリケートクリーム

この工程では、ペネトレイトブラシというものを使用して靴全体にクリームを塗り込んでいき、その後、5分ほど時間をおき、靴にクリームを浸透させたら豚毛ブラシでブラッシングします。この際は靴にクリームを押し込む事を意識して小刻みにブラッシングする事が大切です。

最後に柔らかい布で拭き上げていきます。

f:id:kawagutudaisuki:20200510134954j:plain

左3本:ペネトレイトブラシ 右:豚毛ブラシ

ペネトレイトブラシはクリームにより使い分けると良いと思います。またクリームが固まってペネトレイトブラシが硬くなったときは、中性洗剤を用いて洗ってあげると元に戻ります。

豚毛ブラシは私の場合、靴の色によって使い分けています。豚毛ブラシが硬くなってしまう場合、クリームのつけすぎなので、使うクリームの量を減らしましょう。

また、豚毛ブラシはクリームが染み込んで育つブラシなので、洗うことは必要ありません。

 

⑤油性クリーム

デリケートクリームで保湿が完了したら、今日のメインのクレム1925を用いて靴を光らせていきます。

f:id:kawagutudaisuki:20200510140504j:plain

クレム1925

こちらのクリームがサフィールノワールのクレム1925です。有名なサフィールのクリームの高級版です。色はニュートラルを選択しました。

ほとんどの靴にはニュートラルを使用して、靴本来のエイジングを楽しんでいます。

しかし、ビジネスシューズの場合は色落ちが野暮ったく見えてしまうため、黒のクリームを使用しています。

このクリームを用いて靴磨きをしていくと靴の輝きが全く異なったものになります。

ぜひ体感していただきたいと思います。

使用方法ですが、基本的にはデリケートクリームと同じように、ペネトレイトブラシで全体に塗り込んだ後、5分ほど浸透させたら豚毛ブラシでブラッシングします。その後柔らかい布で磨きあげていきます。すると靴が輝きだします。私の場合、この瞬間に靴磨きがとても楽しく感じられます。

 

⑥ワックスによる鏡面磨き

 次につま先と踵の部分にワックス(靴墨)を指で厚塗りしていきます。私はサフィールのワックスを使用しています。鏡面磨きは基本的にビジネスシューズにしか行っていません。

f:id:kawagutudaisuki:20200510142348j:plain

サフィール ワックス

片方ずつ交互に塗っていくとうまく厚塗りできます。

ワックスが乾いたら、水で濡らしたネル生地を用いて細かく円を描くように磨いていきます。

f:id:kawagutudaisuki:20200510142546j:plain

細く切ったネル生地

すると自分の顔が映るくらい輝いてきます。水の量のポイントはワックスをつけていない部分を布でなぞった時、水滴がつかない程度です。

この工程で、スコッチグレインでは水の代わりにウイスキーを用いて鏡面磨きしていますね。私もウイスキーを用いて磨いてみましたが、香りを楽しみながら優雅な靴磨きの時間を楽しむ事ができました。水とウイスキーには磨きやすさの差は無かったように感じました。

個人的にはウイスキーを用いて靴磨きをするよりかはウイスキーを飲みながら靴磨きしたいですね(笑)

 

⑦山羊毛ブラシによる仕上げ

次に山羊毛ブラシを使用して鏡面磨きをした面を整えていきます。鏡面をブラッシングするときには2、3滴の水をつけてからブラッシングしていきます。

f:id:kawagutudaisuki:20200510142503j:plain

コロニル 山羊毛ブラシ

コロニルのブラシは約2500円で買う事ができるためおすすめです。山羊毛ブラシは1万円異常するものも多くありますが、コロニルのブラシは値段の割に品質がよく、重宝しています。

買ったばかりの山羊毛ブラシを使用すると鏡面が傷ついてしまうため、根気強く使い続け流事が必要です。使い続けているうちに毛先がコーティングされていき、鏡面に傷が入らなくなります。

山羊毛ブラシを育てる際は靴の側面に薄くワックスを塗り、そこをブラッシングします。

根気と歳月が必要ですが、ブラシが育ってくると、靴を履いていて鏡面に傷が入った際、ブラッシングのみで元の輝きを取り戻す事ができます。

 

ここまでがフルメンテナンスの手順です。

普段は帰宅後の、馬毛ブラシによるブラッシングだけでもやってみてください。

そして、月1回から2回のフルメンテも必ず行なっていただきたいです。手間はかかってきますがその分、靴に対する愛情もより深まっていくものだと思います。

せっかくの革靴、少しの手間をかけて末長く愛用してみませんか。