『Alden(オールデン)』993(リジェクト品)のレビュー。革のダイヤモンドと呼ばれるコードバンの魅力とは。寿命はどのくらい?
ついに購入しました。
Aldenの993。
もちろんコードバンです。これで革靴沼にハマった人たちの仲間入りです。
まずは、Aldenというメーカーについてみていきましょう!
・Aldenとは
1884年、マサチューセッツ州ミドルボロウにて創立されたオールデンは、米国の靴文化を象徴するシューメーカーです。
選りすぐられた最上級の素材を用い、コンフォータブルなフィット感を備えたそのシューズは、アメリカントラッドを語るうえで不可欠の存在。
1970年代には、特殊な形状の医療用矯正靴がファッションシーンでも高く評価され、素晴らしい履き心地とともに名声を世界へと広げました。
履き心地に革新をもたらしたオールデンのシューズは、世界中の靴を愛する人々に、他に代え難い至高の存在として親しまれています。
100年以上の間、人々から愛されてきた歴史のあるブランドです。また、アメリカのブランドということで、英国靴にはない特徴があったり、履き心地にももちろん差があります。
Aldenの革靴は、革靴好きを語る上では一足は持っておきたい代物だと思います。愛好家の方は何十足も所有しているというパターンもありますね。あの草彅剛さんもAldenの革靴を何足も所有していることで界隈では有名ですね。
次はコードバンという革の魅力についてみていきましょう。
・コードバンとは
コードバンは馬のお尻の革のことです。そのため一頭から採れるコードバンはわずかなため希少価値が高いのです。
コードバンは主に食用農耕馬の副産物として生産されます。農耕馬自体は年々生産量が低下しているため、入手困難な素材になると言われ続け価格も上昇を続けています。オールデンのコードバンを使用した革靴も年々値段が上がり続けていることで話題になっています。
コードバンはこの先も希少価値が上がり続け、値段も上がり続けることが予想されるので、欲しいと思った方はすぐに購入しておくことをおすすめします。
・コードバンの魅力
コードバンはとても耐久性が高いことで有名です。しかし一方向への耐久力は低く、簡単に裂けてしまうという性質があります。普通の革は繊維がさまざまな方向に空にあっているのですが、コードバンは繊維が一方向なため、なめし方によっては簡単に裂けてしまいます。
オークションやフリマアプリなど、中古の靴をみていると裂けてしまっている靴が散見されます。
そのようにならないためにも徹底的なケアが必要だということです。
また、コードバンは水にものすごく弱いという性質があります。もし水に触れてしまうことがあるならばすぐに白くなり、汚い靴に成り下がってしまいます。そのため雨の日や路面が濡れている日は絶対に履きたくない靴です。
こんなにもデメリットがある靴なのになぜ、人々はコードバンの靴を求めるのでしょうか。それは簡単。コードバンはそれ相応の魅力があるからです。
まずは一つ目。コードバンの輝きです。
コードバンの輝きは物凄いです。引き込まれるような奥深さがあり、ガラスレザーにはない輝きがあります。まさにブラックホール。入ったら出てこれません(笑)
革のダイヤモンドど呼ばれているのにも頷けます。
また、傷がついてしまってもコードバンなら修復できます。普通の革なら傷は修復不可能な場合が多いです。
傷ついたコードバンはレザースティックと呼ばれる水牛のツノを用いた棒で擦ることで簡単に傷を消すことができます。
こちらのようなものです。私はAmazonでカッサ棒というマッサージ用のものを購入しました。レザー専用のものだと一万円弱ですが、こちらはなんと1400円ほどとお手頃です。これで十分です。使うときはクリームを塗った後に擦るようにしましょう。くれぐれもそのまま擦らないように!
また、水に濡れてしまった時もこれで擦ることで白くなってしまった部分を消すことができます。
水に濡れて白くなってしまうのは、コードバンが毛羽だってしまうからなので、それを寝かせるように、押し付けるようにします。コードバンは、わかりやすく言うとスエードを寝かせてツヤツヤに仕上げたものです。この考え方があれば、自ずとケア方法もわかってきますね。
二つ目。その寿命の長さです。
コードバンは10年、20年と、普通に履いていけます。本当の一生の相棒になりえます。先ほど言った裂けてしまうという問題も、しっかりとしたケアがあれば問題にならないでしょう。ケアの基本は他の革と同じくブラッシングと保革です。ブラッシングはどんな状況でも靴を脱いだ際はするようにしましょう。保革は1週間または2週間に一回、少なくとも1ヶ月に一回は必ずするようにします。
これで一生履いていけます。
三つ目。うねるような履きジワです。
こちらは私が今回購入したAldenの993です。履きジワがついています。オールデンに限らず、コードバンは1回目につけた履きジワは2度と戻りません。そのため、履き下ろしの際のシワ入れは今後に大きく関わってきます。
しかしこのシワが大きな魅力です。このシワはコードバン独特なもので、細かいしわではなく、一本のシワが入ります。独特なうねるような美しいシワです。近くから見るとこんな感じです。
深いシワが入っているのがわかります。このシワにコードバンのファンがうなるのも頷けます。
ここまで扱いにくい靴というのを知っていて買ってしまったのは、もう完全に靴が趣味になっていると言うことですね。
・993の魅力
もうすでに写真を載せてしまっていますが今回購入した993をさまざまな角度からみてみましょう。
見ていただくとわかるようにフォーマルとカジュアルを兼ね備えた非常に合わせやすいデザインになっています。
もうお気づきの方もいらっしゃると思いますが、このオールデン、リジェクト品なんです。リジェクト品とはわかりやすく言うとアウトレット。最初からシワが入っていると言うことで購入しました。リジェクト品は靴底のロゴにRの文字が入っています。私は履いていれば履きジワは入るものであって、肝心のシワの方も自然なものだったため、納得して購入しました。
リジェクト品は通常の箱ではなく真っ白な箱に入っています。
このような箱です。さらに入っているのも靴のみです。付属品が欲しい方は注意してください。入っていません。
シューツリーは本当におすすめのものがあります。リンクを貼っておきます。付属品が豪華なことと、購入後にレビューを書くことで400円分のアマゾンのギフトをもらえます。肝心のシューツリーも品質が良いため、リピーターになっています。
さらに耐久性を高めるためにトウスチールも入れています。心配な方もいるかもしれませんが、私に場合はカツカツ音はありません。しかし床を傷つけると言うことはあるかもしれません。
ラバーソールを貼ろうと思っていましたがやはりレザーソールを楽しみたいのでそのまま履くことにしました。
・最後に
この靴を購入して実感したことがあります。
オールデンは作りが雑であると言うことです。
オールデンについて調べていると、作りが雑であると言う記事をいくつも見つけました。私の場合、英国靴に慣れてしまっているため、靴作りにおいて雑だと感じる部分はありませんでした。しかしオールデンを購入してその常識は覆されました。(笑)
一つ目、ウェルトの縫い方が雑だと言うことです。糸の処理が雑です。
二つ目、ヒールの大きさが違います。これは致命的。立っている時でも踵をしっかり地面につけるとつま先が浮きます。しかも片方だけ。どういうことなんでしょうか。(笑)
まあ、私にとっても靴好きの皆さんにとってもオールデンの作りは雑、よく言えばおおらかであると言うことについても愛着になります。完全に沼にハマっています。
そのようなことも含め、大切に履いていきたいと思います。
この靴、どのように経年変化していくのでしょうか。その様子は今後お伝えしていきますのでお楽しみに!